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デザイン経営:実践の補助線

記事:2023年10月10日

世界を動かすような強い企画をたてる方法。そんな大胆なテーマ設定をした本を執筆しました。発売は2022年6月29日。2014年に講談社から出版した「なんクリ」の続編とも言えますが、内容的にはもっと構造的に、もっと体系的に、論理的に整理された内容になっています。ただ、企画ができるようになる、ではなく、抜きん出た企画、競争力のある企画、世界で戦える企画を考える方法にフォーカスして書いています。自分のアイデアが海外のデザイン賞でも高く評価され、そこから多様な仕事に広がり、企業ニーズの最前線に向き合いつづけ、さらには、大学で自分がやってきたことを整理分解して学生に伝えてきた福田でなければ書けない考え方、視点、手順、全体像、訓練技術で書いた内容になっていると思います。クリエイターという職種の人だけでなく、企業の内側で新規事業やサービス開発・イノベーション企画などアイデアの質を求められる仕事をしているすべての人に向けて書いています。

書籍は、大きくは3つのブロッックで構成されています。1つは、基礎トレーニングブロック。脳みそも鍛えることによって高度化する「肉体」であることを前提に、高度な企画脳をつくる前提としての基礎訓練の重要性を説いています。世界的デザイン賞の受賞作を研究したり、企画のコツやお役立ちTIPSを専門書から賢く手に入れるより前に、まず高速に広範囲に脳内の情報と情報を結ぶ企業訓練に注力する。そのためのメソッドやトレーニング方法を紹介しています。

2つ目のブロックは、強い企画を作るための基礎手順を提示しています。そんなものがあるのか、とご指摘を受けそうですが、「アイデア」という形のない商品を扱う仕事なだけに、あえて、定型手順を定義することで、強い企画を考える行為全体をイメージしやすくしています。そしてそれは、後半に行くにしたがって難易度をあげていき、その基礎手順はそのままに、どんな考え方を組み合わせると、さらに高度な企画に着地するのかを解説しています。

そして3つ目のブロックで伝え方・表現の技術の話へ。強いコンセプトは強い伝え方が合わさって初めて、強く世の中で機能する企画となるわけですが、論理設計に長けた経営者は、コンセプト設計までは前のめりに参加するのですが、伝え方や表現、デザインの話となると突然、背を向けてしまう傾向があります。確かに、数値化されない曖昧な世界は、彼らには性に合わないものであるのかもしれません。ですが、この世界は、感覚が渦巻く世界。人々は論理的に生きているようで、感覚的判断が極めて重きを置かれている世界。この最後のブロックでは、表現を生業としている人たちがどんな思考と方法で表現プランニングしているのかを紐解きながら、すべての人が、その人なりの感覚で伝え方が上達できるように導いています。


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この本を読む前に

講義01:思考をひろげる
 講義01補講:ネタをためる
講義02:視点を味方につける
講義03:世界は “なぜ” でできている 
 講義03補講:Why?のツリー
 講義03補講:なんだっけカルテ
講義04:感覚と向き合う
講義05:アイデア思考の基本4ステップ
講義06:アイデア思考の基本4ステップ応用篇/パーセプションチェンジ思考
 講義06補講:UI/UXデザインは面白い
講義07:アイデア思考の基本4ステップ応用篇/大きな時代変数 
 講義07補講:大きな共感のための基準点思考
講義08:体験のクリエイティブ
講義09:伝え方のイノベーション
 講義09補講:アルゴリズムという鍵 
講義10:ひとりひとりの成長戦略


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講義04:感覚と向き合う「感覚的INと感覚的OUTの図」

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感覚と向き合う図から発展「強い企画思考の基礎フロー」

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強い企画を考える基礎4ステップ

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講義08:体験のクリエイティブより「体験の多層構造イメージ」